日本臨床外科医学会雑誌
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経胃的嚢胞胃吻合術が著効を示した仮性膵嚢胞の1例
丸尾 啓敏綿引 洋一北條 正久小坂 昭夫
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1992 年 53 巻 5 号 p. 1208-1213

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抄録
急性膵炎後に発症する仮性膵嚢胞は,手術の適応,時期,術式の選択が問題となる.症例は52歳,女性.激しい腹痛を主訴に緊急入院となり急性膵炎と診断された.保存的治療開始37日目のCTにて巨大な仮性膵嚢胞が認められたため,さらに50日経過後,経胃的嚢胞胃吻合術を施行した.術後15日目のCTで嚢胞は消失しており, 36日目の胃内視鏡検査で吻合口は完全に閉鎖していた.仮性膵嚢胞には自然消失するものがあることを考慮し,まず急性膵炎の治療に準じて保存的治療を行うべきであるが, 6週間前後の観察で嚢胞が消失しない例には外科的治療を決定する必要がある.手術術式は個々の症例に応じて選択されるが,自験例に施行した本術式は安全な方法であり,術後早期に嚢胞の消失,吻合口の閉鎖が認められる.手術の際,吻合口を十分大きくとり,止血を確実に行うことが重要である.
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