日本臨床外科医学会雑誌
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カンジダによる非外傷性縦隔膿瘍の1治験例
水谷 郷一安田 聖栄櫻井 与志彦堀江 修花上 仁幕内 博康田島 知郎三富 利夫
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1992 年 53 巻 6 号 p. 1318-1321

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抄録
われわれは,カンジダによる非外傷性縦隔膿瘍の極めてまれな1例を報告する.
症例は73歳の女性で,進行胃癌のための膵頭十二指腸切除術後19日目に高熱,胸痛で発症した.胸部単純X線検査では縦隔陰影の著明な拡大と中心静脈カテーテルの左腕頭静脈方向への偏位を認めた.
胸部CT検査では,前縦隔に孤立性の腫瘤様病変を認めた. CT値から縦隔膿瘍を疑い,超音波ガイド下ドレナージ術を施行した.少量の白色調の膿が吸引され,縦隔膿瘍と診断した.膿と血液の培養からカンジダが検出された.ドレナージと抗真菌剤の投与にて膿瘍は消失した.
本症の原因としては,中心静脈カテーテルからの縦隔脂肪組織内への高張液の漏出が考えられた.
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