日本臨床外科医学会雑誌
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虫垂炎に由来したS状結腸狭窄の1例
石川 雅彦稲葉 雅史久保 良彦後藤 幹雄
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1992 年 53 巻 6 号 p. 1380-1384

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抄録
42歳,女性で虫垂の慢性炎症が波及してS状結腸に狭窄を来した症例を経験した.注腸造影検査ではS状結腸に長径約6cmの全周性狭窄病変を認めた.また,大腸内視鏡検査ではS状結腸に狭窄を認めるも,粘膜病変は認めず,狭窄部より口側には内視鏡の通過は不可能であった.保存的治療にて経過するも,腹痛の改善は認められなかったため,手術を施行した.開腹所見では萎縮した虫垂が後腹膜に癒着しており,この部位の炎症にS状結腸,回腸,右付属器などが巻き込まれて大きな腫瘤を形成していた.手術はS状結腸および虫垂切除術を施行,術後経過は良好であった.切除標本の検索では, S状結腸狭窄の原因は虫垂炎からの炎症の波及と判明した.大腸狭窄を来す疾患は悪性病変との鑑別が困難であることから,外科療法の施行が必要と考える.
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© 日本臨床外科学会
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