日本臨床外科医学会雑誌
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マムシ咬傷58例の治療経験
藤原 郁也能見 伸八郎内藤 和世牧野 弘之戸田 省吾中路 啓介大森 吉弘岡 隆宏松田 哲朗赤木 重典
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1992 年 53 巻 6 号 p. 1451-1458

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抄録
最近9年間に著者らが経験したマムシ咬傷58例の治療について検討した.
患者はマムシ咬傷後早期に来院する例が多く,初診の段階では軽症と診断されることが多い.しかし重症例では受傷後3日前後に腫脹の増強,眼症状の出現がみられ臨床検査ではCPK, GOT, GPT, AMLがピークとなり,多くは2週間以内に軽快した.初診時に重傷度を判断することは困難であった.
治療は抗血清使用にて5例,非使用にて53例を治療したがそれぞれに1例ずつ重症化症例がみられた.
重症例でも抗血清を使用せず治癒し,副作用を考慮すると,抗血清は必ずしも必要とはいえず,厳重な経過観察,全身管理こそが重要であると思われた.
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© 日本臨床外科学会
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