抄録
最近の医療機械の発達に伴い胆嚢癌も比較的早期に発見されるようになってきたが,依然進行癌として発見される症例が多いのが現状である.胆嚢結腸瘻を合併した進行胆嚢癌に根治手術を施行したので報告する.
症例は79歳,女性.主訴:腹部腫瘤. US, CT,注腸透視, ERCPより胆嚢癌,胆嚢結腸瘻,総胆管結石と診断し手術施行.胆嚢は肝から遊離し,大半が癌で占められ横行結腸に浸潤し,頸部に径7mmの胆嚢結腸瘻を認め,総胆管にビリルビンカルシウム石を3個認めた.胆嚢摘出,総胆管切開, T字管挿入,横行結腸部分切除を行った.組織学的には7×4×2cm大の中分化型乳頭腺癌で横行結腸筋層まで浸潤していたが,瘻孔部は炎症性変化が主体で,癌に合併した胆嚢炎による内胆汁瘻と考えられた.患者は術後1年の現在再発の兆なく外来通院中である.
胆嚢結腸瘻を合併した胆嚢癌を報告するとともに本邦報告20例を集計し若干の文献的考察を加えて報告した.