日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
Print ISSN : 0386-9776
ISSN-L : 0386-9776
同時性胆管肺重複癌の1切除例
佐藤 裕宮崎 耕治薬師寺 浩之湯ノ谷 誠二伊山 明宏原岡 誠司久次 武晴
著者情報
キーワード: 胆管癌, 肺癌, 同時性重複癌
ジャーナル フリー

1992 年 53 巻 9 号 p. 2208-2213

詳細
抄録
近年,高齢化と診療技術の進歩により重複癌症例が増加しているが,胆管癌と肺癌が重複して認められ,両者とも切除し得た症例は極めて稀である.最近,肝外胆管の腺癌と肺の扁平上皮癌とが同時性重複した1例を経験したので報告する.症例は68歳の男性で,血痰,胸部異常陰影と黄疸を主訴に精査入院.経皮経肝的胆道鏡下生検にて腺癌,気管支鏡下擦過細胞診にて扁平上皮癌を認め,同時性胆管肺重複癌と診断した.両者を一期的に切除することは手術侵襲の面から不可能と考え,肺癌に対して気管支動脈より動注化学療法を行った後,先に膵頭十二指腸切除を施行し,本術後42日目に左肺下葉切除兼胸壁肋骨合併切除を行った.
重複癌の場合,担癌患者の予後を決定すると考えられる,より進行した癌の治療を優先することが,重複癌患者に予後の向上をもたらすものと考えられた.
著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top