日本臨床外科医学会雑誌
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心臓カテーテル検査施行後の穿刺部動脈合併症の2例
山下 裕也長尾 和治松田 正和馬場 憲一郎西村 令喜松岡 由紀夫上野 洋一一口 修桑原 暢宏
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1992 年 53 巻 9 号 p. 2232-2237

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抄録
近年,動脈硬化症の増加に伴い心臓カテーテル検査を含む血管造影を施行する機会が多いが,それに伴う穿刺部合併症は憂慮すべき問題点である.われわれは2症例で動静脈瘻,急性血栓症および仮性動脈瘤の3合併症を経験したので報告する.鼠径部の動静脈瘻は,浅大腿動脈起始部を穿刺したのに加え大腿静脈がそのほぼ背側を走行していたことが主因であった.急性血栓症は, atheromatous plaqueが圧迫止血の際に脱落し内腔を塞ぐことで発症したと考えられた.上腕動脈の仮性動脈瘤は穿刺孔が動脈外径に対して大きく,高血圧合併もあり圧迫止血が不完全であったことが発生要因となっていた.いずれの合併症も動脈硬化が深く関与していた.すなわち,これに伴う内膜病変,動脈壁の弾性低下,動脈の易可動性などに加え高血圧,血液凝固能の亢進などが穿刺部圧迫を潜在的に困難としていた.従って,合併症予防には正確な穿刺とともに的確な圧迫止血が重要であると考えられた.
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