日本臨床外科医学会雑誌
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フィブリン糊の膵液瘻発生防止における有用性の検討
森田 章夫黒田 嘉和藤野 泰宏加藤 道男山本 正博大柳 治正斎藤 洋一
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1993 年 54 巻 1 号 p. 53-56

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抄録
1990年1月より1991年8月までの膵体尾部切除術症例37例を対象として,フィブリン糊の術後膵液瘻発生防止効果についてprospective studyを行った.フィブリン糊使用群は18例,フィブリン糊非使用群は19例て,両群の背景因子に有意な関連性は認めなかった.また,術中の手技において,全例,膵管を3-0絹糸で結紮後,膵断端は3-0プロリン糸で連続縫合した.膵体尾部切除術全症例における膵液瘻発生率は37例中13例 (35.1%) であった.フィブリン糊非使用群では19例中10例 (52.6%) 旨であったのに対し.フィブリン糊使用群でば18例中3例 (16.7%) と有意に低値であった.
以上より,膵体尾部切除術症例において,膵管結紮後膵断端へのフィプリン糊塗布は膵液瘻発生防止に有効であると推察さわた.
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© 日本臨床外科学会
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