日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
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膵癌の膵後組織浸潤に対する進展度診断
奥芝 俊一加藤 紘之高橋 利幸池永 治親中島 公博児嶋 哲文下沢 英二田辺 達三長谷川 貴藤田 信行入江 五朗
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1993 年 54 巻 1 号 p. 57-61

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抄録
膵癌の予後を決める重要な因子である膵後組織浸潤の術前診断法として, CT, 血管造影がどのような意義を有するかについて検討を加えた.対象は, 1980~1990年までの11年間に切除された膵癌症例69例のうち,膵後組織浸潤に対し検索され,かつ,術前進展度診断が十分なされた19例である. CTのV因子診断能は, total accuracy 84.2%で血管造影の63.2%に比べ優れていた. Rp因子の検討では, CTでtotal accuracy 52.6%, 血管造影で68.4%であった. CTおよひ血管造影でRp(-) と診断した症例のうち組織学的浸潤陽性例 (rp (+)) は80%を越え. CT, 血管造影の単独の術前診断は極めて低かった.しかし,両者のいずれかに陽性所見が認められた場合の正診率は約80%であった. PLX因子に関しては,画像診断による術前の予測は困難であった.
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