日本臨床外科医学会雑誌
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乳癌組織におけるp53蛋白発現の臨床病理学的検討
成田 達彦舟橋 啓臣佐藤 康幸高木 弘
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キーワード: 乳癌, p53蛋白, 免疫組織染色
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1993 年 54 巻 10 号 p. 2486-2489

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抄録
乳癌におけるp53蛋白の発現を免疫組織学的に検討した.ポリクローナル抗体を用いたホルマリン固定パラフィン包埋標本における検討では, p53蛋白の発現は179例中49例(27.4%)の癌細胞核に限局して認められた. p53蛋白の組織発現と臨床病理学的背景因子, PCNA labeling indexおよび予後との有意の相関は認められなかった.以上より乳癌組織では変異型p53蛋白の発現がみられ, p53遺伝子の癌化における関与が示唆されたが,その臨床的意義に関してはさらに検討を要すると考えられた.
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