日本臨床外科医学会雑誌
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特発性下大静脈血栓症の1例
進藤 俊哉大沢 宏小林 正洋鈴木 修多田 祐輔
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1993 年 54 巻 12 号 p. 3019-3022

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抄録
CT-scanにて偶然発見された下大静脈血栓症の1例を経験した.患者は45歳男性, C型肝炎の治療目的で入院した際,偶然に下大静脈血栓を発見された.他の腹腔臓器に異常はなく,外傷の既往もなかった.血液凝固系にも異常は認められなかった.手術所見では,腎静脈下の下大静脈背側に約10cmにわたって帯状の血栓が見いだされた.切除標本では,白色血栓のみで異物等は認められなかった.以上より特発性と結論した.症例を報告し,血栓形成の機序,治療法について検討を加え,文献的に考察したので報告する.
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