日本臨床外科医学会雑誌
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超音波内視鏡によって質的診断をえた食道平滑筋腫3例と食道嚢胞1例の検討
中尾 健太郎窪田 敬一有園 さおり大淵 俊朗太田 秀二郎津嶋 秀史田中 岳史照屋 正則梶浦 直章福永 昇蛭田 啓之
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1994 年 55 巻 4 号 p. 921-926

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抄録

食道粘膜下腫瘍は全食道腫瘍の約1%を占める比較的稀な疾患である.最近,われわれは4例の食道粘膜下腫瘍を経験したが, 3例は平滑筋腫, 1例は先天性食道嚢胞であった.超音波内視鏡を施行したところ,所見として平滑筋腫は食道固有筋層との連続性をもつ辺縁平滑,内部に点状のspot echoを有する均一な腫瘤として認められた.一方,嚢胞は食道第3層と第4層の間に辺縁平滑,内部均一な高エコー腫瘤像として認められた.内部エコーを有した理由として嚢胞の内容物の粘稠性が高いためと思われた.
食道粘膜下腫瘍の質的診断に際して超音波内視鏡が有用と思われ, 4症例の経験より若干の文献的考察を加えて報告した.

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