日本臨床外科医学会雑誌
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若年者 (20歳以下)における脊椎麻酔の広がり
日下部 輝夫森 秀樹前田 隆高橋 望津嶋 秀史
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1994 年 55 巻 5 号 p. 1131-1136

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抄録

ASA (米国麻酔学会) class 1~2, 年齢6~20歳で,下腹部及び下肢の手術を脊椎麻酔下に受けた患者370名を逆行性に抽出した.薬液はネオペルカミンS®にアドレナリンを添加したものを,年齢,身長,体重などを考慮し,総量0.5~2.0mlの範囲で使用した.穿刺部位はL2-3, L3-4, L4-5間のいずれかで,穿刺針は21ゲージ金属針を用い,注入30秒後に仰臥位とした.脊椎麻酔の効果はピンプリックによる最高皮膚分節麻酔域を判定し,麻酔高と,年齢・性別・身長・体重・注入量が,如何に関与しているかを検索した.その結果,比較的相関係数の高かったのは,身長と体重であり,10歳以下では穿刺部位を低く(L3-4, L4-5)し,かつ,注入量を少なくしたことが高位脊椎麻酔とならなかった理由であったと考える.

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