日本臨床外科医学会雑誌
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選択的迷走神経切離術兼幽門形成術後25年目に発症した柿胃石による腸閉塞症の1例
市場 洋本田 宏林 武利小山 一郎佐藤 純彦
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キーワード: 柿胃石, 腸閉塞症, 術後胃
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1996 年 57 巻 10 号 p. 2482-2485

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抄録

術後胃に生じた胃石が小腸に嵌頓し腸閉塞症をきたした報告はまれである.今回われわれは選択的迷走神経切離術兼幽門形成術後25年目に発症した柿胃石による腸閉塞症を経験したので文献的考察を加え報告する.症例は60歳,男性. 10歳時,虫垂切除術, 35歳時,十二指腸潰瘍にて選択的迷走神経切除+幽門形成術をうけた.平成7年11月5日より心窩部痛,嘔吐出現.近医受診したが次第に症状は増悪し平成7年11月7日腸閉塞症の診断で当院入院となった.保存的加療を試みたが軽快しないため手術を施行した.胃内,回腸内に腫瘤を認め,成分分析の結果,両者とも柿胃石と考えられた.

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