日本臨床外科医学会雑誌
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腎移植後の患者に発生した腫瘤を伴う乳腺Paget病の1例
本田 五郎上原 徹也八木 草彦坂尾 寿彦岡上 豊猛梶原 伸介山崎 信保木下 研一
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1996 年 57 巻 2 号 p. 442-446

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抄録
腎移植後6年目に発生した腫瘤触知型の乳腺Paget病を経験した.症例は47歳女性で, 41歳時に慢性腎不全に対し生体腎移植を受け,免疫抑制剤の投与のもと経過良好であったが,術後6年目に右乳頭部の難治性の痂皮に気づき当院皮膚科で生検を受けPaget病の診断を得た.術前に乳房内にも腫瘤を指摘され,腫瘤形成型のPaget病の診断のもと胸筋温存乳癌根治術を施行した.
近年,免疫抑制剤の進歩により慢性腎不全に対する腎移植術は積極的に行われるようになり,移植後の患者の発癌率の上昇が懸念される.同時に抗癌剤と免疫抑制剤の使用方法などが問題になってくる.
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© 日本臨床外科学会
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