日本臨床外科医学会雑誌
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乳房原発血管肉腫の1例
館花 明彦福間 英祐宇井 義典加納 宣康山川 達郎
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1996 年 57 巻 3 号 p. 556-561

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抄録

非常にまれで極めて予後不良と言われる乳房原発血管肉腫の1例を経験した.
症例は24歳,独身女性で,右乳房腫瘤の急激な増大を主訴に当院受診した.右乳房に10×10cm大の境界不明瞭で弾性軟な腫瘤を触知し,腫瘤直上の皮膚色調が暗赤色を示していた.生検にて血管肉腫と病理診断され,非定型的乳房切断術を施行した.術後補助療法としてインターロイキン-2を投与し,術後10カ月を経過した現在再発の徴候は認めていない.
乳房原発血管肉腫は,われわれが検索しえた範囲では本邦報告18例であり非常にまれな疾患と言え,病理組織学的に異型性に乏しい所見を呈していても極めて予後不良であるとされている.本疾患につき文献的考察を加え報告した.

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