日本臨床外科医学会雑誌
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早期大腸癌と胆管細胞癌の同時性重複癌の1切除例
河野 悟高野 靖悟高橋 知秀伊藤 豊大石 均山崎 猛大亀 浩久榎本 叡矢岩井 重富田中 隆内田 俊和
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1996 年 57 巻 4 号 p. 992-997

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抄録

今回われわれは,早期大腸癌と胆管細胞癌の稀な同時性重複癌を経験したので報告する.
症例は71歳,男性,糖尿病の治療中,肝機能障害を指摘され,腹部超音波検査で肝右葉に低エコーの腫瘤を認めた.
精査にて, CT,および腹部血管造影でも肝右葉に約7×5cmの腫瘍を,さらに注腸,内視鏡検査でBauhin弁より肛門側3cmの上行結腸に約2cm径のI型大腸癌を認めた.
以上より,回盲部切除,および肝拡大右葉切除を施行,術後病理組織診断にて早期大腸癌,胆管細胞癌の同時性重複癌と診断された.
われわれの経験から早期大腸癌に併存した肝病変で,肝転移に特徴的な画像所見を示さなかった場合,本例でみられた様な重複癌の可能性も考慮し,対処することが肝要であると考えられた.

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