日本臨床外科医学会雑誌
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腹腔鏡下手術を行った総胆管結石症例の検討
長谷川 洋小木曽 清二西尾 秀樹村田 透亀井 智貴長沢 圭一谷合 央安藤 英也永井 英雅千田 嘉毅
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1997 年 58 巻 11 号 p. 2512-2515

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抄録

腹腔鏡下に一期的に治療を行った総胆管結石症47例について検討を行った.治療法別には,胆管切開34例,経胆嚢管的切石13例であった.胆管切開例のうち30例に対しては,一期的な縫合閉鎖を行った.切石は全例成功した.手術時間は90分から622分,経胆嚢管的切石では平均282分,胆管切開では平均249分であった.最近の15例では194分と著明に短縮した.合併症としては,一期的縫合閉鎖例で胆汁の漏出を7例(23.3%)に認めたが,いずれも1~7日と短期間に停止した.ドレーンの留置期間,入院期間は,経胆嚢管例では,それぞれ4.6日, 8.2日であり,胆管切開例では, 6.2日, 10.8日であった.特に最近の胆管切開例では, 4.3日, 8.7日と極めて良好な成績であった.腹腔鏡下の一期的な治療は,安全,確実に施行可能であり,苦痛の軽減,入院期間の短縮など患者の受ける利益は大きい.今後,第一選択の術式となり得ると考えられた.

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