日本臨床外科医学会雑誌
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先天性間葉芽腎腫の1例
伊勢 一哉金沢 幸夫吉野 泰啓佐藤 志以樹井上 仁
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1997 年 58 巻 12 号 p. 2976-2981

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抄録
小児腎腫瘍では比較的まれな先天性間葉芽腎腫(CMN)の1例を経験し報告した.症例は1カ月の男児で,主訴は右上腹部腫瘤.腹部CT, IVPおよび超音波検査で右腎外側より発生した腎腫瘍と診断し,右腎摘出術を行った.腫瘍は腎被膜に被われ,周囲への浸潤およびリンパ節の腫脹を認めなかった.腫瘍は大きさ9.0×6.5×6.0cmで,重さは212gであった.病理診断はCMNの混合型であった.後療法は行わず,現在8歳になるが再発を認めない.
CNMは,一般に腫瘍摘出術後の予後は良好とされるが,まれに再発転移をきたす症例もあり術後注意深い経過観察が必要である.
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