日本臨床外科医学会雑誌
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小児虫垂炎術後に発症した肝膿瘍の1例
小出 紀正近藤 哲大場 泰洋金 純矢野 孝岸本 秀雄
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1997 年 58 巻 2 号 p. 439-441

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抄録

症例は7歳男児.右下腹部痛と発熱を主訴に当院を受診した.腹部超音波検査および腹部CTで虫垂炎性膿瘍と診断し,虫垂切除術および膿瘍ドレナージ術を施行した.術後経過は良好であったが,術後13日目に高熱が出現した.術後15日目に腹部CTで肝右葉に約4cmの肝膿瘍を認め,抗生剤投与による保存的治療を開始した.しかし,術後27日目の腹部CTでは約6cmに増大したため,全身麻酔下に経皮的肝膿瘍ドレナージ術を施行した.ドレナージ術後解熱し,肝膿瘍も縮小,術後58日目に退院した.
最近では稀な虫垂炎術後に発症した肝膿瘍を経験したので報告した.小児においても適切な時期に経皮的膿瘍ドレナージを行うべきだと考えられた.

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