日本臨床外科医学会雑誌
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胃癌を合併した全内臓逆位症の1例
原田 昇斎藤 弘司吉川 廣和
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キーワード: 内臓逆位症, 胃癌
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1997 年 58 巻 2 号 p. 471-473

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抄録

胃癌を合併した全内臓逆位症の稀な1例を経験した.症例は56歳,男性.就学時検診にて逆位を指摘されていた.右利き,右睾丸強下垂.次兄が全内臓逆位症. 1994年5月,心窩部痛出現.精査にて,全内臓逆位症および胃体下部大彎の隆起性病変を指摘され,生検にて低分化型腺癌を認めた. Borrmann 3型胃癌の診断のもと, 6月20日幽門側胃切除術兼横行結腸合併切除術施行した.病理診断は,深達度seのBorrmann 3型胃癌,組織型は中分化型管状腺癌であった.本症の診断治療上,病変の局在部位や臓器の位置関係,合併する奇形の有無の把握が重要であると考えられた.

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