日本臨床外科医学会雑誌
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肋間肺ヘルニアの1例
泉 純子田島 幸一島田 良昭原内 大作
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1997 年 58 巻 3 号 p. 582-585

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抄録

肺ヘルニアは非常に稀な疾患で,発生部位により頸部型,肋間型,横隔膜型に分けられ,肋間型の多くは外傷後に発症すると言われている.今回われわれは遅発性外傷性肋間肺ヘルニアが疑われる症例を経験した.
症例は70歳男性,平成5年7月に前胸部を打撲した既往があり,平成6年12月25日突然左側胸部痛が出現, 12月27日同部位に皮下出血も現れた.胸部レントゲン写真にて肺ヘルニアと診断され,疼痛およびヘルニアの増大傾向があるため平成7年3月当科紹介となった.
ヘルニアは第8肋間にあり,ヘルニア門の大きさは18cm×3cmであった.手術は骨膜フラップによる縫着とワイヤーによる肋骨の固定を行った.術後経過は良好で現在再発はみられていない.

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