抄録
症例は61歳,男性.乗用車同士の衝突事故をおこし,他院より紹介受診した. CTで腹腔内液体貯留を認め,緊急手術を施行,腸間膜出血に対し縫合止血を施行した.術後5日目より経口摂取を開始したが,術後10日目より嘔吐が始まり,経鼻胃管による持続吸引を開始,上部消化管造影で十二指腸水平部の通過障害を認め, CTで同部腹側に5cm大の血腫を確認した.胃管持続吸引,高カロリー輸液を30日間継続したところ.血腫は3cm大まで縮小し,その結果通過障害は改善,術後55日目に退院した.
血腫による十二指腸狭窄は最近では保存的治療が主流で,高カロリー輸液を行い,1カ月程度でも保存的治療が可能と考えられた.