日本臨床外科学会雑誌
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Mesh-plugを用い局所麻酔下に修復した大腿ヘルニアの1例
宮崎 恭介中村 文隆道家 充成田 吉明樫村 暢一松波 己加藤 紘之
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1999 年 60 巻 11 号 p. 3028-3031

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抄録

症例は46歳,女性.心窩部痛,右鼠径部腫瘤を主訴に1998年5月10日,当院消化器科受診.消化器疾患精査の目的で胃および大腸内視鏡を施行するも異常を認めず,腹部CTで右鼠径部リンパ節腫脹が疑われたため,リンパ節生検目的にて外科紹介となった. 5月25日,局所麻酔下のリンパ節生検で大腿ヘルニアであることが判明したが. mesh-plugを用いることにより局所麻酔下のままで一期的に大腿ヘルニア修復術を行い得た.患者は手術直後より心窩部痛が消失し, 24時間後に帰宅した. 1998年9月現在再発は認めていない.
大腿ヘルニアにおいてmesh-plug法は, plugを大腿管に挿入するという簡単な操作で確実にヘルニア門を閉鎖することができる術式で,絞扼所見のない大腿ヘルニアに対しては局所麻酔下でできる利点も加えると,第一選択術式であると考えられた.

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