日本臨床外科学会雑誌
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S状結腸癌術後骨髄癌症によるDICに対し, MTX-5FU交代療法が有効であった1例
倉田 昌直高田 泰次川本 徹吉田 貞夫谷口 英樹轟 健深尾 立
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2000 年 61 巻 5 号 p. 1256-1260

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抄録

症例は53歳男性.下血と腰痛を主訴に,注腸造影検査およびCT検査でS状結腸癌,肝尾状葉転移と診断され本院入院,低位前方切除および肝尾状葉切除術を受けた.病理学的には低分化腺癌, se, ly1, v2, n1(+), ow(-), aw(-), ew(+),根治度Bであった.術後DICとなり,メシル酸ガベキサートの投与を行ったが改善せず,骨髄生検と骨シンチグラフィーの所見からS状結腸癌骨髄癌症と診断.骨髄癌症に対してMTX-5FU交代療法(MTX30mg/m3, 5FU60mg/m2)を合計7クール施行したところ,血小板数の増加と, FDP値の低下が認められた. S状結腸癌術後骨髄癌症によるDICに対し, MTX-5FU交代療法が有効であったと考えられた.

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