日本臨床外科学会雑誌
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肋間アプローチによる腹腔鏡下経胆嚢管的総胆管結石除去術
山本 淳谷口 正次古賀 和美指宿 一彦田中 弘之
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2000 年 61 巻 6 号 p. 1425-1430

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抄録

われわれは胆嚢総胆管結石症に対する治療法の1つとして,腹腔鏡下胆嚢摘出術(LC)とともに経胆嚢管的総胆管結石除去術(LTR)を行っているが, LTRの際,右第6~第7肋間から総胆管へのアプローチを行い良好な結果を得ているので,本術式を中心に報告する.手術は胆嚢を肝床から剥離し,胆嚢頸部にエンドループをかけ牽引固定した後,右第6~7肋間鎖骨中線上から刺入したカテーテルイントロデューサー(CI)を経胆嚢管的に総胆管へ挿入し, CIを介して胆道鏡下に結石除去を行った.多くはバスケット鉗子で結石を摘出したが,症例により経胆嚢管的乳頭拡張や色素レーザーによる結石破砕を併用した. LC 1,700例中22例に本術式を行い,全例に結石除去が可能で,重篤な合併症は認めず早期退院が可能であった.肋間アプローチにより,胆道鏡のCIを介した総胆管への挿入,操作が容易となり,有用な方法と思われた.

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