2000 年 61 巻 7 号 p. 1743-1749
症例は62歳男性.逆流性食道炎の診断でプロトロンプ阻害剤などの加療をうけていたが,中部食道狭窄を呈し嚥下困難を主訴とし入院となった.著明な食道狭窄および低栄養状態で,水・流動食がかろうじて通過できる状態であった.食道透視では上部食道の著明な拡張を認め, 24時間pHモニタリングにてpH4以下が26.3%, 5分以上の持続回数は9回であった.逆流性食道炎に伴う食道狭窄と診断し左開胸Collis-Nissen変法および狭窄部にwall stentを留置した.術後経口摂取可能となり, 21病日退院となった.下部食道内pHはpH4.0以下0.9%と著明に改善していた.