日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
逆流性食道炎による中部食道狭窄に対するCollis-Nissen変法およびステント食道内挿術の1例
井口 智浩野島 真治中屋敷 千鶴藤井 雅和小林 哲郎榎 忠彦善甫 宣哉江里 健輔
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 61 巻 7 号 p. 1743-1749

詳細
抄録

症例は62歳男性.逆流性食道炎の診断でプロトロンプ阻害剤などの加療をうけていたが,中部食道狭窄を呈し嚥下困難を主訴とし入院となった.著明な食道狭窄および低栄養状態で,水・流動食がかろうじて通過できる状態であった.食道透視では上部食道の著明な拡張を認め, 24時間pHモニタリングにてpH4以下が26.3%, 5分以上の持続回数は9回であった.逆流性食道炎に伴う食道狭窄と診断し左開胸Collis-Nissen変法および狭窄部にwall stentを留置した.術後経口摂取可能となり, 21病日退院となった.下部食道内pHはpH4.0以下0.9%と著明に改善していた.

著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top