2000 年 61 巻 8 号 p. 2170-2173
症例は37歳,女性.平成3年12月13日当院検診センターにて超音波検査上,胆管拡張を指摘され当院受診.外来にて諸検査施行し,またERCP目的で他院にて入院検査した.その結果,総胆管良性腫瘍を疑い,手術目的にて平成4年2月20日入院となった.
同年3月12日胆嚢摘出術および総胆管切開嚢胞切除, T-tubeドレナージ術施行.病理組織学的には一層の円柱上皮よりなる真性嚢胞で悪性所見は認められなかった.術後経過は良好で4月23日退院となり,現在まで再発の兆候は認めていない.
本疾患における本邦報告例は渉猟し得た限り,剖検例を含む8例しかなく,非常に稀な1例であると考え報告した.