日本臨床外科学会雑誌
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術後早期に潰瘍再発した腸管型BehÇet病の1例
澤木 正孝松崎 正明神谷 勲赤座 薫竹下 洋基高瀬 恒信
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キーワード: 腸管型Behçet病, 潰瘍再発
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2000 年 61 巻 9 号 p. 2391-2395

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抄録

症例は47歳男性.既往歴として9年前に腸管型Behçet病で結腸右半切除術を受けた.平成8年7月頃より右下腹部痛,発熱が出現し,当院を紹介受診した.注腸検査,大腸内視鏡検査にて吻合部潰瘍による狭窄を認め,腸管型Behçet病再発と診断された.腸切除術を施行した.吻合部に境界明瞭なpunched-out ulcerを認め,穿通していた.術後腸瘻となった.絶食,高カロリー輸液,痩孔洗浄などの保存的治療では効果を認めず,再手術にて瘻孔部を含めた腸切除術を施行した.肉眼的に吻合部はpunched-out ulcerであり,病理組織像では非特異的な血管周囲の好中球を主とする炎症像を認め,腸瘻の原因は縫合不全というより潰瘍の再発と考えられた.
本疾患は結合織反応の弱い非特異的炎症所見が主体であるため手術後の合併症や潰瘍再発率が高いとされる.腸管型Behçet病の手術にあたっては周術期を含め潰瘍再発の可能性を念頭にした治療が肝要と思われた.

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