日本臨床外科学会雑誌
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異時性3重複癌(肺・大腸・前立腺)の1例
山添 信幸
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キーワード: 3重複癌, 前立腺癌
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2001 年 62 巻 10 号 p. 2579-2582

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抄録
肺癌,大腸癌,前立腺癌の異時性3重複癌の1例を経験したので報告する. 81歳の男性. 1988年9月検診で右上肺野に異常陰影を指摘され,気管支鏡により肺癌と診断されて右上葉切除術を受けた.組織学的には扁平上皮癌であった. 1991年7月には腹痛を訴え来院,注腸造影にて上行結腸にapple core像を認め,大腸癌の診断で右半結腸切除術を受けた.組織学的には粘液腺癌であった.その後1997年12月より頻尿を訴え外来を受診,精査の結果前立腺癌と診断された.生検にて高分化型腺癌の組織学的所見を得た.前立腺癌についてはホルモン療法で経過をみているが,約3年後の現在も通常の日常生活を送っている.前立腺癌は症状が出にくいため剖検で発見されることが多く,かつ重複率も高いため,前立腺癌を発見した場合は重複癌の存在も念頭におく必要があると思われる.
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