日本臨床外科学会雑誌
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Crohn病による盲腸膀胱瘻の1例
永瀬 剛司川西 勝
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キーワード: Crohn病, 腸管膀胱瘻
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2002 年 63 巻 6 号 p. 1537-1540

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抄録

症例は32歳,男性.下腹部痛,膿尿が出現し,膀胱炎の診断にて治療を受けたが軽快せず当科受診した.注腸造影検査,大腸内視鏡検査にて虫垂入口部とBauhin弁の間に顆粒状隆起,ひだのひきつれを認め,膀胱造影検査にて膀胱頂部右側にひきつれを認めた.腹部MRI検査,超音波検査では膀胱頂部から上方へ連続する索状構造を認めた.以上より,臍尿膜管遺残,盲腸膀胱瘻を疑い,手術を施行した.開腹にて盲腸膀胱瘻,そして回腸縦走潰瘍を認め,回盲部切除,膀胱部分切除を施行した.臍尿膜管遺残は認めなかった.切除標本では回腸に25cmの縦走潰瘍を認め,また,盲腸の顆粒状隆起部に膀胱との瘻孔を認めた.病理組織学的に縦走潰瘍部に回腸壁全層の欠損,潰瘍底と瘻孔部に類上皮肉芽腫を認め, Crohn病とこれによる盲腸膀胱瘻と診断された. Crohn病による腸管膀胱瘻は比較的稀であり,文献的考察を加え報告する.

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