日本臨床外科学会雑誌
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左腋窩に発生した副乳癌の1例
鈴木 秀郎須崎 真加藤 弘幸谷口 健太郎大西 久司梅田 一清
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キーワード: 副乳癌, 異所性乳癌, 腋窩
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2003 年 64 巻 1 号 p. 41-45

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抄録
副乳癌は乳癌の中でも稀な疾患である.今回,左腋窩に発生した副乳癌を経験したので報告する.
症例は71歳,女性で左腋窩皮下腫瘤を主訴とし来院.左腋窩に扁平に軽度隆起した径2cmの表面暗褐色の皮下腫瘤がみられた.腫瘤は皮膚と固定し,弾性硬で,左乳腺には腫瘤はなく,左腋窩リンパ節が触知された.細胞診で腺癌と診断され,生検にて充実腺管癌で辺縁に正常乳管組織を認めた.副乳癌が強く疑われたが,固有乳腺組織との連続性が否定できなかったため,非定型的左乳房切除術および腋窩リンパ節郭清を行った.術後切除標本の検索により,腋窩腫瘍と乳腺の連続性はみられず,腋窩副乳癌と診断した.自験例を含む本邦報告90例を集計し検討を加えた.
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