日本臨床外科学会雑誌
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乳腺invasive micropapillary carcinoma症例の検討
三神 俊彦大村 東生鈴木 やすよ奥谷 浩一沖田 憲司浅沼 広子東 恭悟木村 幸子佐藤 昌明平田 公一
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2003 年 64 巻 10 号 p. 2369-2374

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抄録

【はじめに】Invasive micropapillary carcinoma (IMC)は浸潤性乳管癌においてわずかに併存が認められ,予後不良因子とされている.【対象および方法】過去2年間にIMCの組織像が腫瘍全体の25%以上を占める浸潤癌7例について検討した. ER, PgR, c-erbB2, Eカドヘリンおよびβカテニンの発現を免疫組織学的方法を用いて検討した.【結果】画像上はIMCを特異的に示唆する所見はなかった.細胞診による診断は全例class Vで, fibrovascular coreを有しない乳頭状細胞集団が観察され,術前にIMCを診断できる可能性があると考えられた.リンパ節転移を高率に認めた. ER, PgRそれぞれの陽性率は71%, 57%であった. c-erbB2陽性(++/+++)が71%であり, ERとc-erbB2が共に発現している症例が71%であった. Eカドヘリンおよびβカテニンは全例に陽性所見を認めたが,その局在は間質に向いた面では認められなかった.【結論】IMC 7例について検討した.病理組織学的にいくつかの予後不良とされる因子が各症例で認められた.

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