抄録
患者は36歳,男性.ヘマトクリット値が24.2%で強度の貧血のため平成13年10月24日下血を主訴に来院緊急入院した.緊急内視鏡検査,出血シンチ, Meckel憩室シンチ, CT,血管造影,小腸透視のいずれでも確定診断には至らなかった.そのため12月5日診断的開腹術を施行した.術中所見では回腸末端部より100cm口側部に存在したMeckel憩室が内翻し腸重積(小腸-小腸-小腸)を呈していた.憩室を切除し,内部を検索すると憩室より発生したと考えられるポリープを認めた.病理検査は炎症性ポリープであった.以上憩室内ポリープによる腸重積症という稀な1例を経験したので若干の文献的考察とともに報告する.