日本臨床外科学会雑誌
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下行結腸の固定異常を伴った左半結腸軸捻転症の1例
西山 徹加藤 紘之久保田 宏平岡 圭高橋 亮
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2003 年 64 巻 5 号 p. 1171-1174

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抄録

下行結腸の固定異常を伴ったS状結腸軸捻転症に対しS状結腸切除を施行し, 34年後に左半結腸軸捻転症として再発した1例を経験したので報告する.症例は65歳の男性で,腹痛・腹部膨満を主訴に来院.イレウスの診断でイレウス管を挿入するも腹痛が増強したため手術を施行した.下行結腸は後腹膜に固定されておらず,横行結腸~下行結腸が最大径約30cmと著明に拡張し,反時計回りに180°捻転していた.捻転を整復後,腸管に虚血性変化がないのを確認し下行結腸を後腹膜に固定した.下行結腸の固定異常を伴うS状結腸軸捻転症に対してはS状結腸切除のみでは不充分で,左半結腸切除もしくは, S状結腸切除後に下行結腸の後腹膜への固定が必要である.

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