術前に診断しえた胆嚢軸捻転の2症例を経験したので報告する.症例1, 78歳・女性.右季肋部痛・悪心・嘔吐を主訴に来院した.入院時38.6℃の熱発を認め,右側腹部に5 cm大の腫瘤を触知した.腹部computed tomography (CT)・腹部ultrasonography (US)にて胆嚢軸捻転と診断され,胆嚢摘出術を施行した.胆嚢は肝床部に接しておらず,胆嚢頸部で時計回りに回転していた.症例2, 90歳・女性. 60歳時胃潰瘍にて胃切除術の既往を認めた.右季肋部痛を主訴に来院した.入院時38.6℃の熱発を認め,右側腹部に5 cm大の腫瘤を触知した.腹部CT・腹部USにて胆嚢軸捻転と診断され,胆嚢摘出術を施行した.胆嚢は肝床部に接しておらず,胆嚢頸部で反時計回りに回転していた.胆嚢軸捻転の診断にはCT・USが有用で,診断が確定した場合,胆嚢壊死を伴っており,早期の胆嚢摘出術が必要である.