日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
無症候性副腎外褐色細胞腫に前立腺癌を合併した1例
宮城 淳伊波 潔仲地 広美智池村 綾池原 康一古堅 智則
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 64 巻 6 号 p. 1473-1477

詳細
抄録

今回われわれは無症候性副腎外褐色細胞腫に前立腺癌を合併した1例を経験したので報告する.症例は77歳,男性.前立腺肥大症にて当院治療中,尿閉を主訴に救急を受診した.腹部CTにて後腹膜腫瘍が偶然発見され外科的に切除された.病理検査は褐色細胞腫であった.術中術後,血圧の変動はみられなかった.また術後,前立腺針生検にて腺癌の診断となり前立腺全摘術も行った.免疫染色にて両腫瘍にP53の過剰発現がみられた.発症の原因として遺伝子異常が示唆された.術後現在まで再発はみられない.副腎外褐色細胞腫および前立腺癌の1例を経験したので発症の原因も考察し報告した.

著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top