日本臨床外科学会雑誌
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本態性血小板血症に合併した胃癌の2例
藤解 邦生森藤 雅彦村上 義昭横山 雄二郎佐々木 秀末田 泰二郎
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キーワード: 胃癌, 本態性血小板血症
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2004 年 65 巻 10 号 p. 2659-2663

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抄録

本態性血小板血症の胃癌合併例は非常に稀である.今回,本症に合併した胃癌の切除例を2例経験したので報告する.症例1は65歳,男性.食欲不振を自覚したため近医受診. Borrmann II型病変を認め当科入院となった.入院時血小板数85.5×104/μlでありhydroxyurea増量し, 56.8×104/μlに減少した時点で幽門側胃亜全摘術を施行.術後4日目より内服再開し合併症なく経過.症例2は71歳,男性. 2003年12月幽門側胃切除後の残胃に低分化型腺癌を認め2004年1月当科入院.血小板数104×104/μlと高値であり本態性血小板血症と診断された.入院直後からhydroxyurea開始し, 52×104/μlに減少した時点で残胃全摘術を施行.術後は,ヘパリンも併用し合併症なく経過.周術期全般における血小板コントロールや抗凝固療法は,本態性血小板血症の周術期管理に重要であると考えた.

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