抄録
消化管穿孔により発症した新生児腸重積症の1例を経験した.在胎34週4日,切迫早産のため帝王切開で出生した出生時体重2,160gの女児.在胎32週に胎児腹水を指摘され, 1生日に消化管穿孔の診断で緊急開腹した.回腸狭窄と肛門側回腸の穿孔および内腔に腸管と連続性のあるポリープ様腫瘤を認めた.病理組織では腫瘤根部の筋層は肛門側回腸と連続して重積構造を呈し,口側腸管の重積に伴う遺残腸管と診断した.胎児腹水の既往,生後早期の発症から子宮内重積症と考えられ,周産期の低酸素状態が誘因と考えられた.本邦報告の新生児腸重積症38例の集計では,成熟児に器質的疾患の合併が多く,低出生体重児は全例が特発性で, 18例は1生日目までに発症し子宮内重積症と考えられた.成熟児は腸管虚血,器質的疾患の合併が,低出生体重児は腸管虚血が誘因と考えられた.また低出生体重児は穿孔,死亡例が多かった.