抄録
胆嚢管癌は稀な疾患であり,術前に正診することは困難である.今回われわれは,術後病理組織検査にて診断された胆嚢管癌の1例を経験したので報告する.症例は83歳,男性.腹痛を主訴に近医を受診後,胆嚢炎を疑われ当科紹介入院.胆石症,壊疽性胆嚢炎の診断にて同日緊急手術を施行した.開腹時,胆嚢壁は体部から底部にかけて壊死性変化を認めた.術中胆道造影では,悪性を示唆する所見は認められなかった.術後病理組織検査にて,胆嚢管に限局性に乳頭状構造を呈する上皮の増殖像を認め,乳頭状腺癌と診断された.追加手術の適応と考えられたが,高齢でかつ本人の同意なかったため外来経過観察とした.現在術後10カ月経過し,無再発生存中である.