日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
興味ある画像を呈した無症候性膵島細胞腫瘍の1例
森 隆太郎簾田 康一郎松山 隆生長谷川 聡長谷川 誠司仲野 明家本 陽一
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 65 巻 3 号 p. 780-784

詳細
抄録
症例は41歳,男性.右下腹部痛,発熱を主訴に当院救急外来を受診し,大腸憩室炎の診断で入院となった.この際施行した腹部造影CTで偶然膵尾部に腫瘍を認め,大腸憩室炎軽快後手術の方針となった.術前画像所見では, CTで嚢胞および石灰化,造影効果を認めなかった.血管造影では腫瘤による脾静脈の圧排のみ認め,新生血管や腫瘍濃染像も認めず,静脈相でも著明な腫瘍濃染像を呈することはなかった.これらの画像所見よりsolid-pseudopapillary tumorを最も疑い,膵体尾部・脾合併切除術を施行した.病理組織診断では, chromogranin A陽性で,ラ島と類似性の高い部分もみられ,無症候性膵島細胞腫瘍と診断された.
hypovascularな像を呈する非特異的な非機能性膵内分泌腫瘍が存在することもあり,膵腫瘍の診断に際しては,常にislet cell tumorも念頭におく必要があると思われた.
著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top