日本臨床外科学会雑誌
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Tamoxifenとsulindacが奏効した骨盤壁デスモイド腫瘍の1例
河島 秀昭石後岡 正弘原 隆志樫山 基矢高梨 節二吉田 信
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2004 年 65 巻 6 号 p. 1715-1718

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抄録

われわれは,薬物療法が奏効し著明な改善を認めた症例を経験したので報告する.症例は72歳,女性.主訴は腹痛,腹部腫瘤. 2001年10月末より腹痛あり近医にて治療を受けるも改善なく当院へ紹介入院となった.腫瘤は右骨盤内腸腰筋部に存在し,エコー下穿刺生検を行いデスモイド腫瘍と診断した.外科的切除を検討したが,下肢の機能障害が予測されたためtamoxifenとsulindacによる薬物治療を先行させることとした.その結果,腫瘤は次第に縮小し,わずかに痕跡を認めるのみとなった.内服治療を継続後2年現在,再燃や増大傾向は認めていない.

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