2005 年 66 巻 12 号 p. 2934-2937
症例は65歳,男性.既往歴に脳梗塞があり,療養型病院に入院中であった.繰り返す誤嚥性肺炎のため当院紹介となり,平成16年6月11日内視鏡的胃瘻造設術 (PEG) を施行した.術後,自己抜去,出血,バンパーの逸脱が生じ,その都度PEGを再施行した. 11月19日カテーテル交換時に横行結腸への瘻孔が明らかとなり, 11月30日手術施行,皮膚横行結腸瘻,横行結腸胃瘻の形成を確認し閉鎖し,同時に開腹下に胃瘻を造設した.術後経過は良好であり,第16病日に転院となった.胃結腸瘻はPEGの稀な合併症であるが, PEGの再施行を繰り返す症例はリスクが高いと考えられ,十分な術前検査を施行する必要がある.