日本臨床外科学会雑誌
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広範囲に進展したアポクリン非浸潤性乳管癌の1切除例
沖野 秀宣島田 和生渡辺 次郎光山 昌珠笹栗 毅和武田 成彰
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2006 年 67 巻 3 号 p. 592-596

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抄録

広範囲に進展したアポクリン非浸潤性乳管癌 (apocrine ductal carcinoma in situ, 以下ADCIS) の1例を経験した.症例は44歳の女性で右乳房の大きなしこりを主訴に来院した.マンモグラフィでは多形性,微細線状石灰化がびまん性にみられ,針生検でDCISと診断された.術中のセンチネルリンパ節生検で転移を認めず,単純乳房切除術を施行した.病理組織診断ではほとんどの細胞がアポクリン細胞の特徴を呈し,乳管外に浸潤する病変を認めずComedo型のADCISと診断された.免疫組織学的にはGCDFP-15, Ki-67, HER-2が陽性,エストロゲン,プロゲステロン,アンドロゲンレセプターは全て陰性であった.文献上ADCISはホルモンレセプター発現を含む生物学的性質が通常のDCISとは異なることが報告されており,組織学的分類上の位置付けを明確にする必要があると考えられた.

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