日本臨床外科学会雑誌
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重複胆嚢との鑑別を要した孤立性肝内胆管拡張症の1例
遠山 信幸野田 弘志小西 文雄山田 茂樹
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67 巻 (2006) 5 号 p. 1069-1072

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抄録

重複胆嚢との鑑別を要した孤立性嚢胞状肝内胆管拡張症の1例を報告する.症例は63歳,男性.腹部検診目的で行った超音波検査で胆嚢頸部に接する嚢胞状腫瘤性病変を指摘された.腹部CTでは肝S5に18mm大の低吸収域と内部石灰化陰影を認め, ERCPでB5分枝の嚢胞状拡張と内部結節影を認めた.他の肝内・肝外胆管や胆嚢に異常なく,合流異常も認めなかった.嚢胞内細胞診で悪性所見はなく,結石を伴う重複胆嚢 (Gross分類のCtype) または孤立性肝内胆管拡張症の術前診断で手術を行った.胆嚢摘出後,肝S5の表面に半球状の病変を確認し,嚢胞に沿って肝実質を剥離, B5合流部まで追及後摘出した.内部に黒色石が多数存在したが,腫瘤像は認めなかった.病理検査では腫瘍性変化はなく,嚢胞壁に筋層構造は認めず,胆管系の腺管構造を伴うことから最終的には良性肝内胆管拡張症と診断した.

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