1992 年 33 巻 2 号 p. 205-210
症例は70歳の男性で,平成1年1月より発熱,全身表在リンパ節の腫大,上腹部腫瘤,右胸水の貯溜を認め,3月リンパ節生検で非Hodgkinリンパ腫(follicular medium sized cell type, B cell)と診断され,3月9日当科入院。LAK細胞は血液成分分離装置を用いて週1回,計3回採取した末梢血単核球をIL-2 (7×103 JRU/ml), 非働化患者同型血清10%含有RPMI 1640にて8日間,37°Cで濃縮回転培養し総数7.7×109個を経静脈的に投与した。IL-2はLAK細胞投与2日前より17日間1.4×106 JRU/日を持続的に静注した。終了4日後の超音波検査にて,全身の表在リンパ節腫大は消失または縮小していることが確認された。しかし上腹部腫瘤の縮小は認められなかった。より効果的に本治療法を施行するためには,さらに大量のLAK細胞を得ることが必要であると考えられた。