臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
Print ISSN : 0485-1439
ISSN-L : 0485-1439
症例
セファランチンとエリスロポエチン併用療法が著効を奏した骨髄異形成症候群(RA)の1女児例
北島 晴夫安西 加奈子久保 政勝星 順隆赤塚 順一
著者情報
ジャーナル 認証あり

1994 年 35 巻 7 号 p. 694-698

詳細
抄録

症例は3歳女児で,平成4年4月より出血斑が出現,同5月26日,当科精査加療目的の入院となった。入院時,血色素8.6 g/dl, 白血球2,500/μl, 血小板2.7×104lの汎血球減少を認めた。骨髄は低形成であったが,3系統の血球に異形成がみられ,低形成性骨髄異形成症候群と診断した。治療には2クールのパルス療法と経口プレドニン投与を行ったが,反応は不良で,輸血に頼らざるをえなかった。そこで,平成5年1月,セファランチン連日20 mg経口投与と,週2回の遺伝子組み換えヒト・エリスロポエチン(rhEPO) 3,000U静注を開始したところ,投与3カ月ころより奏効しはじめ,血色素は4.1 g/dlより11.9 g/dlへ,血小板は4,000/μlより3.9万/μlへと改善した。rhEPOは平成5年9月,漸減,中止とし,現在はセファランチンと少量プレドニン投与により,血色素は11 g/dl台,血小板数は3万台で安定している。

著者関連情報
© 1994 一般社団法人 日本血液学会
前の記事 次の記事
feedback
Top