臨床血液
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症例
11;14転座を認めたsmall lymphocytic lymphoma/chronic lymphocytic leukemia
上田 享司中尾 光成赤野 由美子野村 憲一藤田 寧子岡本 朋美横田 昇平堀池 重夫中村 栄男谷脇 雅史
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2001 年 42 巻 9 号 p. 701-704

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抄録

症例は83歳,女性。近医でnon-Hodgkin's lymphoma, diffuse small cleaved cell (WF)の診断を受けVP療法と少量etoposide療法が施行されたが改善せず,当院に紹介となる。入院時に著明な脾腫と頚部,鼡径リンパ節腫大,および末梢血,骨髄浸潤を認めた。リンパ節生検を再度施行し,REAL分類で病理学的にsmall lymphocytic lymphoma/chronic lymphocytic leukemia (SLL/CLL)と診断した。一方,表面マーカーはCD5+, CD10-, CD19+, CD20+, CD23-, IgM+D+であり,間核期FISHでt(11;14)を認め,免疫染色ではcyclin D1陽性でmantle cell lymphoma (MCL)の特徴を呈した。CHOP療法は無効であり無治療で経過観察しているが,比較的経過は良好である。SLL/CLLとMCLはCD5陽性B1細胞を由来とする類縁疾患であり,本例のように中間的な病態が存在すると考えられる。

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© 2001 一般社団法人 日本血液学会
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