臨床血液
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症例
経過中に赤芽球癆を合併した慢性骨髄性白血病
安山 雅子川内 喜代隆竹井 和大小笠原 壽恵大川 真一郎
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2004 年 45 巻 1 号 p. 66-71

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抄録
症例は47歳の男性。平成1年,慢性骨髄性白血病(CML), 慢性期と診断された。その後interferon-α (IFN-α), hydroxyureaにより治療されていたが,平成11年9月,急速な貧血の進行と血小板数の増加を認め,入院となった。網赤血球数の減少と骨髄での赤芽球の著減を認め,赤芽球癆(PRCA)の合併と診断した。CMLに関してはaccelerated phaseへの移行(付加的染色体異常,持続性の血小板増加)も否定できずIFN-αを中止しhydroxyureaを増量した。白血球数,血小板数は正常化し付加的染色体異常も消失した。PRCAに対して,IFNを中止後cyclosporin投与を行うも肝機能障害が出現し中止。肝機能障害は急性C型肝炎の合併と診断し,CMLの治療を兼ねてIFN療法のみ再開した。平成13年の骨髄穿刺検査で依然として赤芽球低形成が持続しており,定期的輸血が必要であった。CMLとPRCAの合併は極めて稀であり,文献的考察を加えて報告する。
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© 2004 一般社団法人 日本血液学会
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