臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
Print ISSN : 0485-1439
ISSN-L : 0485-1439
臨床研究
日本骨髄腫研究会参加施設におけるサリドマイド治療の現状と成績
村上 博和半田 寛今井 浩三金倉 譲小阪 昌明澤村 守夫島崎 千尋鈴木 憲史石井 昭広高木 敏之谷脇 雅史戸川 敦畑 裕之若山 聡雄高月 清
著者情報
ジャーナル 認証あり

2004 年 45 巻 6 号 p. 468-472

詳細
抄録

日本骨髄腫研究会におけるサリドマイド使用実態,治療効果および副作用につき調査した。参加45施設中,15施設においてサリドマイドが使用されており,症例数は73例で,平均年齢63.8歳,男性35例,女性38例であった。サリドマイド単独治療群は34例(47%), ステロイド併用群は27例(37%), 化学療法併用群は12例(16%)であった。初回投与量,最高投与量,維持投与量のそれぞれの平均は111.0, 204.8, 163.0mg/日であり,多くの症例で100∼200mg/日で維持されていた。partial response以上を31例(42.5%)に得ており,ステロイド併用群がよい傾向であった。無進行期間中央値および生存期間中央値はそれぞれ9.8月,21.3月と良好であった。副作用の中では,消化器症状,末梢神経障害,精神症状,皮疹が多く見られたが,深部静脈血栓症は見られなかった。一方,白血球減少が約10%に見られ,注意すべき副作用と考えられた。

著者関連情報
© 2004 一般社団法人 日本血液学会
前の記事 次の記事
feedback
Top