2004 年 45 巻 6 号 p. 468-472
日本骨髄腫研究会におけるサリドマイド使用実態,治療効果および副作用につき調査した。参加45施設中,15施設においてサリドマイドが使用されており,症例数は73例で,平均年齢63.8歳,男性35例,女性38例であった。サリドマイド単独治療群は34例(47%), ステロイド併用群は27例(37%), 化学療法併用群は12例(16%)であった。初回投与量,最高投与量,維持投与量のそれぞれの平均は111.0, 204.8, 163.0mg/日であり,多くの症例で100∼200mg/日で維持されていた。partial response以上を31例(42.5%)に得ており,ステロイド併用群がよい傾向であった。無進行期間中央値および生存期間中央値はそれぞれ9.8月,21.3月と良好であった。副作用の中では,消化器症状,末梢神経障害,精神症状,皮疹が多く見られたが,深部静脈血栓症は見られなかった。一方,白血球減少が約10%に見られ,注意すべき副作用と考えられた。